2007年10月21日
ペアガラスの功罪
新聞の広告でよく見かける、家のPRですが、
今、色々調べながら家を建てていて感じることは、
「ありきたり」「当たり前」「法律で決められている」
性能を、さも高性能のように謳った広告が、なんて
多いのだろうという思いです。
例えば、車で言えば、
「オートマチック車です。」「パワーウインドウです。」
「軽自動車なので税金が安いです。」などという
内容を、だから高性能なのです。と宣伝しているのと
同じことなのです。
でも、車は比較的みんな興味があるので、こう言えば、
「なんだ、当たり前じゃん。」と思いますが、家の性能は
興味がないのか、それともデザインや設備に目が行って
しまうのか、こうした広告がまかり通っているようです。
そうした物の一つに、「ペアガラス」があります。
これから書く内容は、このペアガラス自体が本当に
「当たり前」であれば良いのですが、もうすでに「時代遅れ」
になりつつあるのに、さも高性能ですという広告が気になったので、
この有名になりすぎた?ペアガラスの功罪について書きたいと思います。
今、色々調べながら家を建てていて感じることは、
「ありきたり」「当たり前」「法律で決められている」
性能を、さも高性能のように謳った広告が、なんて
多いのだろうという思いです。
例えば、車で言えば、
「オートマチック車です。」「パワーウインドウです。」
「軽自動車なので税金が安いです。」などという
内容を、だから高性能なのです。と宣伝しているのと
同じことなのです。
でも、車は比較的みんな興味があるので、こう言えば、
「なんだ、当たり前じゃん。」と思いますが、家の性能は
興味がないのか、それともデザインや設備に目が行って
しまうのか、こうした広告がまかり通っているようです。
そうした物の一つに、「ペアガラス」があります。
これから書く内容は、このペアガラス自体が本当に
「当たり前」であれば良いのですが、もうすでに「時代遅れ」
になりつつあるのに、さも高性能ですという広告が気になったので、
この有名になりすぎた?ペアガラスの功罪について書きたいと思います。
まずは、ペアガラスとは何かということですが、
これは説明するまでもありませんが、1つのサッシに
間に空気層をはさんで2枚のガラスが入ったサッシを言います。
なぜ、ガラスを二重にするかというと、主に2つの理由があります。
① 結露を防ぐ
② 断熱性を高める
要するに、外気と室内の温度差を、ガラスとガラスの間の空気層で
緩和させて、結露を防ごう、又は外気温度の室内への影響を縮減
しようというものです。現在はほとんでの建築会社で標準仕様となっています。
データとしては、昔からの1枚ガラスの窓と比べると、
例えば室温20度、室内湿度60%で
1枚ガラスが外気9℃で結露が始まるのに対し、標準的なペアガラス
では、外気0℃まで結露しません。
結露は、健康上の理由(カビの発生)や構造上の理由(構造材の腐敗など)
から防ぐべきものです。
このように、ペアガラスは結露の防止については優れた性能を持ちます。
しかし、②断熱性については、ペアガラスはあまり効果は得られないよう
です。夏の日差しの遮熱も20%ほどしかなく、80%程度は通してしまう
ようですし、冬の室内の熱の放射を防ぐ性能もあまりないようです。
(それでも1枚ガラスよりはましですが)
ところで、ここで驚くデータがあります。
最近、次世代省エネ住宅ということで、断熱材を厚く入れたり、気密性を
高めたりして、外気の影響をなるべく受けない住宅を作り、冷暖房費を
節約し、省エネしようという住宅の建築が国を挙げて推奨されて行われています。
しかし、壁・床・天井・屋根にどんなに断熱材を敷き詰め、気密性を保ったとし
ても、実は、窓から全体の50%以上の熱が流入出していたのです!!
つまり、高性能な住宅を作っても、50%以上が窓から熱が出たり入ったりして、
無駄なエネルギーが使われているのです。
そこで、「Low-Eガラス」というものが、注目を集め始めています。
これは、ペアガラスの内側に特殊金属膜を貼り付け、太陽光を反射し、(遮熱)
または、室内の熱の放射を防ぐ(断熱)効果を持ちます。
つまり、夏はなるべく外気の熱を遮断し、冬は室内の暖気をなるべく逃がさないのです。
しかし、Low-Eガラスも完全なものではありません。
例えば、夏の日差しの遮熱も60%程度です。(それでも普通のペアの20%に比べると
格段に良いのですが)技術開発が進むに従い、もっと性能の良いものが出てくるでしょう。
このLow-Eガラスは使い方によって断熱性を高めるし、遮熱性も高めます。
太陽や地面からの照り返しなど、外から家の中に入ろうとする熱を遮断するのが、遮熱。
これに対し、断熱は冬場、暖房で温めた室内の熱が外に伝わらないようにすることです。
この遮熱と断熱はペアガラスのどの面に金属膜を貼り付けるかで決まります。
例えば、ペアガラスの室外側ガラスの内面に金属膜をすると外からの熱を遮熱します。
また、ペアガラスの室内側ガラスの外側面に金属膜をすると、室内の熱の放射防ぎます。
このことから、日当たりのよい南側の窓や夕日の暑さが厳しい西側の窓は遮熱仕様にし、
東側の窓や北側の窓は断熱仕様にするといった使い分けをします。
ただし、南側の窓を遮熱仕様にすることによって、冬場の暖かい日差しを遮断してしまう
欠点はあります。
しかし、冬場の夜の恐ろしい冷え込みを考えると、その分の暖房費よりは昼間の暖房費
の方がまだましでしょう。
つまり、次世代省エネ住宅では、このLow-Eガラスを使ったペアガラスが
もはや標準と言えるのではないでしょうか。
同様に、サッシについてもただのアルミサッシでは、当たり前に結露します。
ペアガラスでも場合によっては結露するし、Low-Eガラスでも同様です。
現在ではサッシにも、アルミ断熱サッシ(外の部分と室内側の部分の間に
ゴムなどの断熱素材をかましている)、樹脂サッシ、木製サッシなどが
出回っています。最低アルミ断熱サッシは入れたいところです。
ここまでの結論から、少し勉強した施主にとって、ペアガラス、アルミサッシは
今時、時代遅れ、高性能どころか低性能と言ってしまえるものなのです。
また、断熱・気密は寒い冬だけのためにあるのではない。静岡県では、むしろ
夏の省エネのために存在するのだと思います。
静岡県は温暖な地域だから・・・といって、断熱や気密をないがしろにする
建築会社は(実に多いですが)、勉強不足な会社として選択肢から切り捨てても
良いと私は考えます。
これは説明するまでもありませんが、1つのサッシに
間に空気層をはさんで2枚のガラスが入ったサッシを言います。
なぜ、ガラスを二重にするかというと、主に2つの理由があります。
① 結露を防ぐ
② 断熱性を高める
要するに、外気と室内の温度差を、ガラスとガラスの間の空気層で
緩和させて、結露を防ごう、又は外気温度の室内への影響を縮減
しようというものです。現在はほとんでの建築会社で標準仕様となっています。
データとしては、昔からの1枚ガラスの窓と比べると、
例えば室温20度、室内湿度60%で
1枚ガラスが外気9℃で結露が始まるのに対し、標準的なペアガラス
では、外気0℃まで結露しません。
結露は、健康上の理由(カビの発生)や構造上の理由(構造材の腐敗など)
から防ぐべきものです。
このように、ペアガラスは結露の防止については優れた性能を持ちます。
しかし、②断熱性については、ペアガラスはあまり効果は得られないよう
です。夏の日差しの遮熱も20%ほどしかなく、80%程度は通してしまう
ようですし、冬の室内の熱の放射を防ぐ性能もあまりないようです。
(それでも1枚ガラスよりはましですが)
ところで、ここで驚くデータがあります。
最近、次世代省エネ住宅ということで、断熱材を厚く入れたり、気密性を
高めたりして、外気の影響をなるべく受けない住宅を作り、冷暖房費を
節約し、省エネしようという住宅の建築が国を挙げて推奨されて行われています。
しかし、壁・床・天井・屋根にどんなに断熱材を敷き詰め、気密性を保ったとし
ても、実は、窓から全体の50%以上の熱が流入出していたのです!!
つまり、高性能な住宅を作っても、50%以上が窓から熱が出たり入ったりして、
無駄なエネルギーが使われているのです。
そこで、「Low-Eガラス」というものが、注目を集め始めています。
これは、ペアガラスの内側に特殊金属膜を貼り付け、太陽光を反射し、(遮熱)
または、室内の熱の放射を防ぐ(断熱)効果を持ちます。
つまり、夏はなるべく外気の熱を遮断し、冬は室内の暖気をなるべく逃がさないのです。
しかし、Low-Eガラスも完全なものではありません。
例えば、夏の日差しの遮熱も60%程度です。(それでも普通のペアの20%に比べると
格段に良いのですが)技術開発が進むに従い、もっと性能の良いものが出てくるでしょう。
このLow-Eガラスは使い方によって断熱性を高めるし、遮熱性も高めます。
太陽や地面からの照り返しなど、外から家の中に入ろうとする熱を遮断するのが、遮熱。
これに対し、断熱は冬場、暖房で温めた室内の熱が外に伝わらないようにすることです。
この遮熱と断熱はペアガラスのどの面に金属膜を貼り付けるかで決まります。
例えば、ペアガラスの室外側ガラスの内面に金属膜をすると外からの熱を遮熱します。
また、ペアガラスの室内側ガラスの外側面に金属膜をすると、室内の熱の放射防ぎます。
このことから、日当たりのよい南側の窓や夕日の暑さが厳しい西側の窓は遮熱仕様にし、
東側の窓や北側の窓は断熱仕様にするといった使い分けをします。
ただし、南側の窓を遮熱仕様にすることによって、冬場の暖かい日差しを遮断してしまう
欠点はあります。
しかし、冬場の夜の恐ろしい冷え込みを考えると、その分の暖房費よりは昼間の暖房費
の方がまだましでしょう。
つまり、次世代省エネ住宅では、このLow-Eガラスを使ったペアガラスが
もはや標準と言えるのではないでしょうか。
同様に、サッシについてもただのアルミサッシでは、当たり前に結露します。
ペアガラスでも場合によっては結露するし、Low-Eガラスでも同様です。
現在ではサッシにも、アルミ断熱サッシ(外の部分と室内側の部分の間に
ゴムなどの断熱素材をかましている)、樹脂サッシ、木製サッシなどが
出回っています。最低アルミ断熱サッシは入れたいところです。
ここまでの結論から、少し勉強した施主にとって、ペアガラス、アルミサッシは
今時、時代遅れ、高性能どころか低性能と言ってしまえるものなのです。
また、断熱・気密は寒い冬だけのためにあるのではない。静岡県では、むしろ
夏の省エネのために存在するのだと思います。
静岡県は温暖な地域だから・・・といって、断熱や気密をないがしろにする
建築会社は(実に多いですが)、勉強不足な会社として選択肢から切り捨てても
良いと私は考えます。
Posted by とのくん at 01:01│Comments(0)
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